二〇二二 冬

しろいひかりに結ばれて
大地が黄昏れるとき
そこに心を置いてみる。


山々の静かなる恵みが
その者たちを受け入れて
甘やかすことなく側にいる。






温もりとひとつ屋根の下で
のんびりと、一緒にいる。


背伸びすることも
着飾ることもない
暮らしから生まれゆくものたちがそこにある
それに触れるとき、身体の粒子たちが思い出す。
懐かしんで、喜んで、
毎日が簡単に切り離されてしまうなかで
確かに自分が自分と一緒にいてあげられる。






その手を繋いで、
あぁ、間に合った。と安堵する。


星たちは朝を探しながら
夜空からその者たちの暮らす灯りを見つける。
「あの地上にある星を知っている気がするよ」
おしゃべりしてみたくて
遠くからちらりとまたたいてみせる
そんな星のことばも届いているのだろう。






「僕たちの欠片をここに置いておくね」
星たちがそっと、そっと、空にとけてゆく。



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文と写真と映像 / 文 香