私達の日常にすっかり溶け込んでしまっている革製品
動物の皮に手を加えて
腐らずに耐久性を備えた革にしていく作業の後
そこから針と糸を用いて道具をつくります
二十歳を過ぎた頃から
自然と革を用いたものをつくるようになって
働かせてもらったアトリエでもその延長線上で
革や布を用いた仕事をするようになりました
革細工は自分に試練や様々な体験をさせてくれて、
それはある意味では動物達が導いてくれたようにも感じます
革として在る皮は皆
人がその動物に刃を入れて皮膚を頂いたもの
色んな思想や価値観がある中で
いつもその命を前にどう在るべきか問われている気がします
2018年に高知県を訪れた時に出会った大久保陽平さんは狩猟された鹿を引き取って、
全ての工程を自らの手で行いながら皮から革への作業「鞣し」を行っています
一緒に時間を過ごすうちに感じることは
そこには命を繋いでいこうとする愛をとても強く感じました
彼のような命を繋いでいく方と出会ったことで、
僕自身もその繋いでいく流れに特別な意味を感じるようになりました
小さな手の平で繋がっていくひとつひとつを
大切に繋いでいきたいと思っています